心揺蕩いて

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玄樹side








神宮寺が事故に合ってから
半年が経とうとしていた頃だった





突然、俺のスマホに病院から着信があった





神宮寺に何かあったんだと
恐る恐る通話ボタンを押す




でも予想外の電話の内容に
俺の体は凍り付き言葉を失ったんだ





その電話はAちゃんが
神宮寺に繋がれているチューブを外し




そして…病室から
飛び降りようとしたというものだった





幸いチューブが機械から外れた
アラームを聞いた看護師さんが
すぐに駆け付けてくれて



Aちゃんをギリギリのところで
保護してくれたらしい




その後、興奮状態に陥った
Aちゃんは意識を失い
俺が病院に駆けつけた時は眠っていた




二人が無事だったことに
安堵していたけれど
程なくして目を覚ました彼女は
神宮寺の記憶を失っていたんだ…




辛い記憶から逃げる為の
いわゆる自己防衛みたいなものだと
担当した医師が教えてくれた







それから記憶を思い出そうとすると
彼女は発作を起こす様になっていた




…俺は怖かった
彼女がまた自ら死を選ぼうとすることが



神宮寺が命がけで守った人を
俺が代わりに守らないといけないと思った




だって、神宮寺が目を覚ました時
Aちゃんが居ないと
今度は神宮寺が苦しんでしまうから





だから、俺は彼女を見守る為に
毎日おじいちゃんの店に来るように伝えた




俺が大学へ行かなければいけないのと
神宮寺の病室に行く間
Aちゃんを一人にさせない為に









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