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神「はい、出来ました」
『見せて、見せて』
私は勇太に近寄り
スケッチブックを覗き込んだ
そこには、お世辞にも上手とは言えない絵
神「俺、絵が苦手なのよ」
『えっと…これはきっと
モデルが悪かったせいだよ』
神「あ、確かにそうかもね」
折角、フォローしようとしたのに
意地悪なことを言われたから
本当は冗談だと分かりつつも
私はさっきより更に頬を膨らませた
神「冗談だよ、可愛い顔が台無し」
勇太は私の顔がよほど面白いのか
膨らんだ頬を両手で挟みながら笑っていた
『だって意地悪を言うからでしょ』
神「ふふ、ごめんね」
私の言葉に今度は目を細めて微笑み
その視線が私の唇に移った
神「大好きだよ、A」
『……私も』
二人で目を閉じると
私たちは初めてキスをしたんだ
この少し下手くそな絵は
私たち二人の初めてのキスの思い出
大切な忘れられないはずの思い出なのに…
二人の記憶をまた1つ思い出し
私の涙はまた止めどなく零れる
勇太…ごめんね…
今、会いに行くからね…
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莉衣子(プロフ) - きゅんさん» 初めまして。是非他のも読んでやってください!ありがとうございます。 (2021年1月10日 9時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
きゅん(プロフ) - はじめまして。読んでいくうちにどんどん引き込まれていって、最後には涙が溢れて止まりませんでした。莉衣子さんの作品他のもぜひ読ませていただきます! (2021年1月10日 1時) (レス) id: 530e3ffe95 (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - Nさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2020年6月26日 13時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
N(プロフ) - すごい泣きました。素晴らしい作品、ありがとうございました。 (2020年6月26日 12時) (レス) id: 909ed19fee (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - pipi_kpさん» コメントありがとうございます。読んで下さって嬉しいです。 (2020年6月24日 0時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉衣子 | 作成日時:2020年6月20日 10時