26 ページ26
.
『どうしたの？』
海「……」
俺が誘ったくせに緊張して言葉が出ない
公園の中を静寂が流れていた
.
海「あの…岸くんのことが好きなの？」
『…岸くん？』
海「今日、舞台裏で二人で話してたよね
岸くんに彼女が居るか聞いてたでしょ？
頭をポンポンされてるのも見てたし」
話していくうちに
これって嫉妬じゃないかと気付いたら
とてつもなく恥ずかしくなってきた
『…ちょっと色々あって、確かに聞いたよ
でも神宮寺くんにも岩橋くんにも聞いた
あとポンポンは多分岸くんの
優しさなんだと思う
ドンマイって言われたからね』
海「…え？…３人に聞いてたんだ
いや、うん…そっかそっか」
頭ポンポンのことがあるから
岸くんへの嫉妬はゼロにはならないけど
ホッとしたと同時に
彼女を誰かに取られたくない
そんな感情が強くなった気がした
『……雨だ』
海「雨？」
気が付けば肩や太もも辺りに
ポツポツと雨のシミが出来ていた
『海人、風邪ひいちゃうから帰ろう』
ベンチが小さく音を立てたと思ったら
Aさんは公園の出口の方に向いて
歩き出そうとしていた
その姿を見て彼女が離れて行ってしまう
無性にそんな気がして思わず駆け寄り
彼女の腕を掴んでいた
驚いて振り向いた彼女の顔を
一瞬だけ視界に映したけど
俺は更に腕を強く引き寄せ
彼女の顔を自分の胸に押し付けるように
強く強く抱きしめた
いつも感じていた彼女の匂いを
全身で噛み締めていたら
また、雨が強くなった…
『…海人？こんなところを見られたら
大変なことになるから離して』
海「嫌だ、離れない
Aさんが居なくなりそうで怖い」
顔が見えないように横を向き
黙り込んだAさんが小さく見えた
海「Aさんが好き、大好きだよ
ずっと一緒に居たいんだ」
雨の音だけが聞こえるだけで
彼女は何も答えない
ただ肩が微かに震えていて
体を離して隙間を作ってみても
Aさんは今度は俯いたままだった
海「こっち見て、俺を見てよ」
その言葉で顔を上げたAさんは
涙を溜めた真っ赤な目で俺を見つめる
交じり合った視線を逸らさない彼女に
まるで引き寄せられるみたいに
俺はAさんにキスをした
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
莉衣子(プロフ) - よしさん» 何度もすみません、悩んだ結果アンブレラはパス付きで置いてます。作品一覧をご覧下さい。お待たせしました。 (2020年9月21日 9時) (
レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - よしさん» こちらこそコメント頂いて、編集のやる気が上がりました。ありがとうございます。 (2020年9月20日 19時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
よし(プロフ) - 莉衣子さん！！返信ありがとうございます！楽しみにしてます！ (2020年9月20日 17時) (レス) id: eebe64cef8 (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - よしさん» 初めまして、コメントありがとうございます。アンブレラは編集終わり次第パスは外します。少々お待ち下さいませ。あとアンブレラは読み直してフラグを立てようと考えいます。若い方だったらすみません。 (2020年9月20日 15時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
よし(プロフ) - はじめまして！素敵な話を毎回楽しみに読ませて頂いてます!!すみません。アンブレラを読みたいのですが、パスワード教えて頂けないでしょうか？ (2020年9月20日 2時) (レス) id: eebe64cef8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：莉衣子
| 作成日時：2020年5月25日 13時
