Ｆｏｒ．．．２８ ページ32
side Jesse
『 恩人さんの名前は？ 』 『 さとう まさや 』
２年前、君にそう名乗ったから
２年後、俺は後悔することになった
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「 息抜きした顔には見えないねぇ 」
「 スミマセン 」
ふうっとため息をついて俺を見上げるおばあさん
「 まあ、いいさ。 今日は私が家に帰るよ 」
「 いつみはどうしてますか？ 」
「 ずっと空を見てるよ。 相変わらず何も喋らないけどね 」
「 ・・・そうですか 」
病室前の廊下で俺とおばあさんは付添いを交代した
部屋の中には静かに空を見つめてるいつみ
ベッドの上で上半身だけ起こしていた
俺がベッド脇の椅子に座り、いつみの手を優しく握ると
「 なぜ、責めないの？ 」
「 えっ？ 」
俺を見ずに、空を見たままの問いかけ
「 私が中島さんのこと黙ってたから・・・ 」
「 いつみ 」
「 始めからキチンと話してれば・・・ 」
「 違うよ 」
「 違わない！
まさや君の言った通り、もっともっと危機感持ってたら・・・
あ、あの子・・・わ・・たし達の赤ちゃ・・ 」
言葉が続かず、小さな肩と握りしめた手を震わせた
思わず抱きしめて俺の胸にいつみの顔を押し付ける
「 いつみのせいじゃない！ 俺が・・・俺が一番悪いんだ！ 」
「 ど・・して？ 」
「 君と健人君が出会ってしまった原因は俺なんだ
最初の出会いから“ ジャニーズJr.のジェシー ”って打ち明けていれば 」
「 えっ？ 」
「 あのとき全てを話していたら君は・・・
ＮＨＫホールに来ることはなかったんだ！！ 」
そうすれば健人君とすれ違うことも、ケガで傷痕を残すこともなかった
まして子供を失うことも・・・
「 だから自分を責めないで 」
「 でも、赤ちゃん一人で逝かせて・・・私も 」
「 ・・・君まで俺を置いていくの？ 」
「 ま・・・？ 」
知らず知らず頬を伝う温かい雫
それは俺を見上げたいつみの頬に落ちた
「 Babyには悪いけど君だけは失えないんだ 」
酷い父親だって思われてもいい
この罪は俺が背負うから・・・
「 Babyと君はずるいよ
俺を仲間はずれにして二人だけで話してさ 」
「 えぇっ？ 」
「 俺、言いたかったのに 」
――― Thank you for helping your mammy ―――
――― キミノママヲタスケテクレテアリガトウ ―――
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 222人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
姫保(プロフ) - ほにゅーびんさん» うわぁ、お久しぶりです。何年ぶりですか？私のこと覚えていてくれたんですね。こちらこそ嬉しいです。 (2019年9月3日 1時) (
レス) id: 29b0e5addf (このIDを非表示/違反報告)
ほにゅーびん(プロフ) - お久しぶりです！名前変えちゃったんですけど、京本千尋です！姫保さんがお元気そうで嬉しいです！ (2019年8月31日 15時) (レス) id: 3ebede5bec (このIDを非表示/違反報告)
姫保(プロフ) - とどさん» お久しぶりです。お元気でしたか？ショックを与えて申し訳ないのですが、ルイス家その後と、家族になった大根を書きたいので、もう少しお付き合い下さいね。 (2015年8月17日 20時) (レス) id: 000b5a5ba0 (このIDを非表示/違反報告)
とど(プロフ) - 姫保さん、お久しぶりです。お話完結おめでとうございます。大好きな大好きなお話でした。途中、私の我が儘なリクエストにも応えて下さり、本当に終わってしまうのか〜とショックでした。が、きっとまたルイス家の様子を書いてくれますよね(*^^*)楽しみにしています。 (2015年8月16日 17時) (レス) id: cb84c17212 (このIDを非表示/違反報告)
姫保(プロフ) - サファイヤさん» 私もこのお話といつみちゃん達が好きすぎて後ろ髪ひかれてます。ベビーも書き始めると次々頭の中で動きだしちゃうんです。これからは大根の中でチョコチョコ出していこうかと思います。ずっと我が子を見守る母目線で書いていたお話です。 (2015年8月13日 10時) (レス) id: 000b5a5ba0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：姫保
| 作成日時：2015年3月4日 0時
