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紫side
「そろそろ素直になれよ」
真剣な顔をした照は
グイッとグラスを傾けた
「素直って何が」
しらを切るけれど本当は分かってる
俺、意気地無しだから
「じゃあさ、こうしよう。ん、それ」
指で指されているのは俺の携帯
「え、何でよ」
「俺が協力する。
ていうか、電話かける」
そんなこと言われて素直に貸すかよ
携帯を死守しようと手を伸ばすも
向こうの反射神経に負けた
「ロックは?」
「……」
「ふっか、早くして」
「……誕生日」
「誰の」
「康二……」
顔に熱が集中してくる感覚
耳まで熱い
「へぇ、なんだちゃんと好きじゃん」
よく言えばそうだけど
普通に考えれば未練タラタラの野郎だけどな
自分なりに悪態をつく
「もしもーし」
考え事をしていると聞こえてきた声
え、ちょっと待ってよ
「ほんとにかけたの!?
ちょ、切って切って」
照から携帯を受け取れると、まだ繋がってはいなかった。
『もしもし…』
と思ってた
『ふっかさん……?』
ダメだ、やだなぁ
声聞くだけで泣けそう
早く話せよって目で訴えかけてるのを
横目に気持ちは溢れ出してきた
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桜空(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2020年5月28日 16時) (レス) id: f4e6341de5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - コメント失礼します!毎回楽しみにしてます!更新楽しみにしてます(*´˘`*) (2020年5月27日 23時) (レス) id: 96cc352ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜空 | 作成日時:2020年5月9日 15時