P.M.10:30 ページ4
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ソファから立ち上がり
キッチンで、
インスタントのコーヒーを作った
別にコーヒーが好きな訳では無いし
なんなら、飲みすぎて嫌いになりそう
けれど、それは消費しないと
期限が来てしまう
前までは2人で並んで飲んでいたけど
気がつけば一人
ソファの片隅で飲んでいた
電気もつけず
テレビもつけず
キッチンの電気を頼りに
リビングは薄暗く見えている
「うす…」
見た目の色の濃さの割に
味は薄くて
なんとも言えない気持ちになった
捨てるのもいいかもしれないけれど
今日は沢山捨ててしまった
そんな罪悪感からか
捨てることが出来ずに
両手で持ったマグカップは
まだ湯気を仰いでいた
冷ますように息を吹きかければ
それは揺れて
空気の中に溶け込んでいく
「あちっ」
一気に飲み干そうと
口にするが
それは許されないらしい
熱さにやられて
思わず口を離した
前なら、隣にいたあの人は
『何やってんだよ』
なんて言って笑ってくれただろう
そんな言葉に俺も
応えるように笑っただろうに
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桜空(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2020年5月28日 16時) (レス) id: f4e6341de5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - コメント失礼します!毎回楽しみにしてます!更新楽しみにしてます(*´˘`*) (2020年5月27日 23時) (レス) id: 96cc352ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜空 | 作成日時:2020年5月9日 15時