・ ページ30
・
愛されるなら
ふっかさんしかありえへん
なんて思っていたのに
気がついたらその当たり前は消えていた
直接言葉にしてくれることなんて
ほとんどなかったけれど
それでも、
たった数回のあの言葉が
とても俺の中で重たくのしかかる
「立てるか… 帰ろう」
翔太くんが優しく手を差し伸べてくれて
かっこいいな、なんて
ふっかさんはこんなことする人じゃなかった
不器用だから
そんな器用にカッコつけられへんかった
「翔太くん、ありがとうな」
比べるつもりなんて全くない
もちろん、翔太くんの気持ちを利用する気なんて
さらさらない。
「なぁ、康二
俺、お前の笑った顔が好きだ」
……でも、ちょっと不器用な所は似てるかも
「なんやねん、それ笑」
零したくなくても
瞳に張った膜は零れ落ちそうで
思わず笑った拍子に零れ落ちた
そんなに、悲しそうな顔せんといて
翔太くんが悲しくなる理由なんて
何一つないんやから。
・
433人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「深澤辰哉」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜空(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2020年5月28日 16時) (レス) id: f4e6341de5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - コメント失礼します!毎回楽しみにしてます!更新楽しみにしてます(*´˘`*) (2020年5月27日 23時) (レス) id: 96cc352ed4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜空 | 作成日時:2020年5月9日 15時