夜中に、君と

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紫side


もう一度、愛してるって伝えたら



戻らなくとも
笑顔を見せてくれるだろうか





くしゃりと歪む顔は
目が線になるほど細められて




なんだか、どうしようもなく抱きしめたくなる





夢の中でこれじゃあ
現実だと既に抱きしめているはずだ







「夢に、出てくるんだよ」





「俺と別れたくせに、悲しそうなんだよ」






「俺は毎回抱きしめるんだ」







「………惚気？」



目の前の照は不機嫌そうに
ぶっきらぼうな言葉を投げかけてきた



これが惚気に聞こえるなら

いい耳鼻科を教えるよ





「結局、好きなんじゃん」




見透かされていて





図星な俺は聞こえないふりをする



参ったな


「俺は、あいつを幸せになんて出来ないよ」




カッコつけてため息とともに呟いた言葉は
俺の心を締め付けるにはもってこいの言葉だった




我ながら、最高にダサい





「ふっ、変な奴…笑」





そんな俺の事を笑わず抱きしめてくれるのは





きっと




世界中どこを探しても



お前だけだよ



康二



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