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紫side
2人で並んで座ったベンチは
妙に間が空いていて
少し淋しげに風が通り抜ける
「俺さ、正直に言うけど
康二が好きなんだよ、恋愛感情をもって」
1度決めたことは曲げない主義だ
真っ直ぐに気持ちは伝えるし
遠回しに伝えたりしない
「だから、俺と付き合ってください」
振られるのは怖いから
少し指先が冷たくなっているのはしょうがない
「康二………」
返ってこない言葉に、振られるのだろうと
察したけれど、それでもなお言葉を待った
"ふっかさん、顔……上げて"
いつの間にか目線は自分の冷えた指先に注がれていた
きっと自信がなかったんだ
"多分、俺もふっかさんが好き"
「うそ……」
こぼれた言葉は康二の優しい笑顔に解けていく
"本当、この気持ちはふっかさんと同じや"
冷えていた指先に康二の少し暖かい手が重なる
俺には眩しいくらいの笑顔が
見つめてきて
どうしても、抱きしめたくなった
"ちょ、苦しいって笑"
引き寄せた体は冷たくて
けど、何故か心はポカポカと暖かくなって
「幸せにするから、離れないで」
"うん、離れへん"
そっと背中に腕が回る感覚に溺れた
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桜空(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2020年5月28日 16時) (レス) id: f4e6341de5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - コメント失礼します!毎回楽しみにしてます!更新楽しみにしてます(*´˘`*) (2020年5月27日 23時) (レス) id: 96cc352ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜空 | 作成日時:2020年5月9日 15時