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佐久間くんと別れて
タクシーに乗り込んだ
日付が変わったこの時間帯は
昼間とは違い、全く混んでいない
どんどん進んでいく車の窓を見つめ
少しばかりのため息をこぼして
もう一度携帯のメッセージを開く
全く感情の読み取れない文面
でも、珍しくあの人は俺よりも先に
家に居ることが嬉しくて
なんだか、自分が小さい子供のように
喜んでいるのが面白い
"今から帰るから"
簡潔な文章を送ると
すぐに既読がつき電話がかかってくる
「…もしもし、」
『今どこ?』
「もうすぐ家着くところ」
「そう、気をつけてね」
一方的に切られた電話
「え、これだけ……?」
なんの電話だったのか
理解が出来ないままタクシーは目的地へと着いた
「ありがとうございます」
代金を渡して
お釣りが帰ってきたのを確認して
タクシーを降りた
何故か誰かのいる家に帰るのが新鮮で
一緒に住んでるはずやのに
おかしい話やなぁ
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桜空(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2020年5月28日 16時) (レス) id: f4e6341de5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - コメント失礼します!毎回楽しみにしてます!更新楽しみにしてます(*´˘`*) (2020年5月27日 23時) (レス) id: 96cc352ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜空 | 作成日時:2020年5月9日 15時