夜中に、君と

A.M.9 ページ11

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ﾌﾞｰﾌﾞｰ



バイブ音が頭の近くでする







「んー…」







毎朝聞いていること音も



いつも以上にうるさく感じて






思わず眉をひそめた







携帯で時間を確認して


ゆっくりと手を伸ばす





ちょん、と指先に体温が感じ取れて







微かな寝息が聞こえてきた




ほら、やっぱり




俺の隣に戻ってくるんや







なんとなく複雑な気持ちになりつつも


でも嬉しくて




頬が緩む






「ふっかさん」





毎日夜遅くに帰ってきては



俺の寝ているベッドに潜り込んで






幸せそうに眠っているから


離せなくなる







そっと俺の方を向いているあの人の


腕の中に入れるのなんて






きっと俺だけやし




俺にしかさせんといて







薄い胸板も




しっかりしている腕も






きっと俺だけ




「またピアスしたまま寝てるやん」







こんなだらしない仕草を見せるのも



きっと俺だけ






そっと


あの人の耳元に触れて





ピアスを取る






「好きやで、ふっかさん」






最後に1度、ギュッとして


腕から離れる






それだけで、俺は満たされる








例え、
知らない人の甘い香りがしていても。







･


End

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