P.M.10 ページ1
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何度目かのメールが届いた音が聞こえる
2人分作ったご飯の
片方を手に取り生ゴミへと追いやる
「はぁ……」
こうやって、頭を抱える事にも飽きた
メールの内容は見ることも無く
分かってしまうから
「今日も遅くなる、か…」
ほらやっぱり、
「ご飯を作る前に言ってや…」
そこがあの人の悪い癖であって
俺が離せない理由の一つでもある
結局、帰ってくるから
例えどんな時でも、
最後にはこの場所に戻ってくるから
期待したくもないけれど、
待ってる自分が嫌なんや
自分の分のご飯も冷めきって
食べる気力も失せてしまう
「また、今度」
そう言い、ラップに包んで冷蔵庫を開いた
けれど中身は
結局食べることなく放置された料理たち
「捨てなあかんな」
あの人が好きだと言ったものを
何度か作ってみたけれど
その努力さえ虚しく感じる
「上手く出来たと思ったんやけどな」
数日前の手料理を眺めては
また生ゴミへと落としていく。
どれほど無駄にすればいいのか
そんなの、分からへんな
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桜空(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2020年5月28日 16時) (レス) id: f4e6341de5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - コメント失礼します!毎回楽しみにしてます!更新楽しみにしてます(*´˘`*) (2020年5月27日 23時) (レス) id: 96cc352ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜空 | 作成日時:2020年5月9日 15時