雪男の色恋ごと 2 (ページ7)

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みんなでバカやって

それぞれが他の仕事で抜けていく

「康二、大丈夫か？」

「うん、そこら辺は任せといてよ」

どんと胸を叩いて自信げに頷いたけど
周りはなんだか不安げだ

みんなが出ていった稽古場は

シーンとしている

未だに俺の上着にくるまったまま
動かない所さえ可愛く見えてくる

「こーじー」

いつものように、優しく

落ち着いた声で

「苦しくない？
もう俺しか居ないよ、顔上げてみて？」

小さく俺の上着が横に揺れる

「いやなの？」

今度は小さく頷くのが分かる

「どおした？」

隣に座ると振動が伝わる

「苦しいでしょ、おいで」

相手の反応を待つことなく
抱き締めれば

控えめに腕が伸びてくる

「もう、ゾンビみたいだよ笑」

顔は上げない癖に
服の隙間から伸びてくる手はまさにそれ笑

「佐久間くん、俺……だめやぁっ…」

「おー、どうした」

さっきとは打って変わって
力強く背中に巻きついた

「苦しいなぁ、そうだよな
上着、取るけどごめんな」

そのままじゃ多分苦しいだろうから

俺の上着を回収する

泣きじゃくりすぎて
腫れまくった目元

鼻も耳も真っ赤

「もう、溜め込むなよ」

くしゃくしゃ撫でたら
もっと泣き出した

「佐久間くっ、ごめ…」

「いいよ」

俺には全部見せてよ

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