雪男の色恋ごと 2 (ページ3)

今日:9 hit、昨日:5 hit、合計:41,258 hit

・ページ3

青side

個室の端の席

向かいあわせで座っている康二は

今とても酔っている

珍しく着いた途端に
強いお酒を何杯も飲んで

今落ち着きかけていた

「康二、水飲みなよ」

そう言ってお冷を康二の前に置く

「へへっ……しょーたくんだ…」

さっきから目の前にいたよ俺

でもどこが強く言えないのは

目の前にいる康二が

すごく酔っているから

「しょーたくん、俺蓮に嫌われたかもっ……」

急に笑ったかと思えば

急に泣き出した

対面から頭を撫でて

「大丈夫、なにがあったんだよ」

「わかんない………何なんやろ…」

「何かあったから今こうなってんだろ？」

「多分、俺の気持ちが重すぎたんや」

酔いが覚めて来たのか
少しずつ口調は元通りになっていく

少し目に涙をうかべるのは

俺を思ってじゃなくて、目黒だから

俺じゃないのは分かってるはずなのに

馬鹿だなぁ

勘違いしそうになる

「その気持ちを向けられる目黒が羨ましいわ」

「……え…？」

無意識にこぼした言葉は

意識がしっかりしてきた康二にはしっかり聞こえたらしい

「いや、なんでもない
しょうがないから、今日だけ奢ってやる

そしたら、ちゃんと目黒のところに行けよ」

いつものようにあしらえば

康二も元通りになる

「翔太くん、ありがと…」

「好きだからな」

聞こえないように言った言葉

結局康二には届くことは無かった