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「妖精さんとして誰に付くのかなって考えてた時に、たまたまお店の前でねこさんがぐったりしてて、」
「ねこ、?」
「そう、でもみーんな素通りしてたんだけどね、1人だけそのねこさんを見て慌てたようにお店の中に入って、あったかそうな牛乳を持っていってあげてた子がいたの」
「うん、」
「その時は優しい子なんだなあ、俺がつくならこういう子がいいなあってすごく記憶に残ったんだ」
「その子につけたの?」
「んふふ、まだお話聞いて?その後気になってずっとその子を見てたんだけど、やっぱり優しいんだよね」
迷子になってる小さい子の親御さんが見つかるまで一緒に探してあげたり、落とし物を拾ってちゃんと交番に持って行ったり、あとその子のバイト先の人がシフト出れなくなっちゃったらすぐ変わってあげたり?
ふっかの話を聞けば聞くほど、自意識過剰かもしれないけど身に覚えのある出来事だった
ふっかは私についてくれる前から、私のこと知ってたってこと?
「でもその子ね、なんかがきっかけでずっと調子悪いみたいで、あんなに笑顔がかわいかったのに暗い表情しか見れなくなっちゃったの」
「うん、」
「だから俺、えらい妖精さんに頼み込んだんだあ」
「それって、」
「うん、どうしてもAちゃんを笑顔にしたくて俺はここに来た」
ふっかと出会った時の方を思い出す
確かにあの時はずっと良くないことが立て続けに起こっていて、だけどふっかが来てからそれがパタリとなくなった
毎日が楽しくてしょうがなかった
「俺、Aちゃんを笑顔にできてたかな?」
「それはもう、ものすごく笑ってたよ」
「んはっそれはよかった!」
「ふっかが私のところに来てくれちゃったから、さっきまで本当に抜け殻みたいになってたんだからね」
「、ごめんね、でも待っててくれてありがとう」
ふっかを責めるような言葉を何回言ってしまっただろう
その度にふっかは私の目を見つめてごめんねを繰り返す
「私ね、ふっかが妖精さんの時からふっかのことが大好きだよ」
「っAちゃん」
「ふっかも同じ気持ちならいいなってずうっと考えながら待ってたんだけど、どう?」
しょっぴーやラウちゃんの言ってたことが本当だとは限らない、だって本人から聞いたわけじゃないし、
なんて内心言い訳をしながら、ふっかからの甘い言葉を待ってしまう私がいた
まあたくさん待たされてるし、これくらいいいよね。
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もちむ(プロフ) - 直__naoさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました!少しでも直さんの気持ちに触れられる作品になっていれば幸いです(^^)新作ですか…!検討しておきますね!🥹💜 (2022年12月9日 21時) (レス) id: 9305aed96f (このIDを非表示/違反報告)
直__nao(プロフ) - 完結、おめでとうございます!!お疲れ様でした。とてもおもしろかったです!!毎回、ワクワクしながら読ませてもらってました((o(´∀`)o))ワクワク 鬱陶しいかもしれませんが…新作待ってます((コソッ (2022年12月9日 19時) (レス) @page47 id: 86640c55e0 (このIDを非表示/違反報告)
もちむ(プロフ) - きらさん» コメントありがとうございます!1番好き…!?ものすんごく嬉しいお言葉です、ありがとうございます🥺更新頑張りますね!💜 (2022年12月1日 0時) (レス) id: 9305aed96f (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - コメント失礼します!今まで読んだお話の中で1番好きです。更新楽しみにしています! (2022年11月28日 15時) (レス) id: 6847181624 (このIDを非表示/違反報告)
もちむ(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしていただけて嬉しいです💜感情移入していただけるほど読み込んでいただいてとても嬉しいです…!妖精さんたちは、姿が見えないだけでかりんさんの近くにいらっしゃるかもしれません…🫣 (2022年11月24日 21時) (レス) id: 9305aed96f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちむ | 作成日時:2022年11月11日 0時