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就活はうまく進まず、かと言って何かがうまくいってるとは言えない日々を変わらず1人で過ごしている
明日に迫ったクリスマスイブに、浮き足立っている街はさらに拍車がかかっているように見えて、なんとなく心が痛い
「Aちゃん明日も明後日もシフト入ってんじゃん!彼氏は!?」
「いませんよ、特に予定もないし暇なので」
「えぇー!あの同級生の男2人は!?」
「そういうんじゃないんですって…佐久間さんだって2日間ともシフト入ってるじゃないですか」
「まぁ俺には嫁たちがいるから非リアってわけじゃないんだけどね?ね??」
閉店後のキッチンで賄いを作ってくれている宮舘さんを他所に、口だけをよく動かしている佐久間さんのお喋りに付き合っていた
明日からの2日間はきっと1日中忙しいんだろうな、と思いつつミスをしないように気を引き締めなければ、と自分に喝を入れる
「Aちゃんに甘えて2日間ともシフト入れちゃったけど良かった?」
声の大きい佐久間さんとの会話が聞こえていたであろう宮舘さんがこちらを心配そうに伺う
「全然大丈夫です、私が入りたいと思って希望出してるので。むしろありがとうございます」
「いえいえ、ただでさえ人少ないのに休みで希望出されたらどうしようとも思ってたから正直安心した」
「お役に立てそうでよかったです」
最近は働いてる間は余計なことを考えなくて済むようになったから、バイト中は息がしやすい
めめや康二とは違い元々ふっかを知らない人たちだから、自然とふっかの話をしなくていいから。
「よし、じゃあ今日の賄いね」
「ハンバーグ…、ありがとうございます」
「あれ、ハンバーグ苦手だった?」
「っいえ、大好きです」
「よかった」
ふとした会話の端々にふっかを感じてしまうけれど、それでも私、前より強くなったと思うんだよね
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「さむ、」
もこもこのジャケットを着て、肌を刺すような冷たさから逃れるようにマフラーに顔を埋める
…ここで自分の馬鹿さに呆れる
「道間違えた、」
こんな寒い中、家までの道を間違えるなんてどうかしている
無意識に足が向かっていたのはこんな時間でも煌びやかに光るゲームセンターだった
早く帰ろう、と踵を返そうとしたその時に見えた、小さい影
「え…?」
いるはずがない、と心は否定しているのに体は影が見えた方へと進む
なんだったか確認、するだけ
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もちむ(プロフ) - 直__naoさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました!少しでも直さんの気持ちに触れられる作品になっていれば幸いです(^^)新作ですか…!検討しておきますね!🥹💜 (2022年12月9日 21時) (レス) id: 9305aed96f (このIDを非表示/違反報告)
直__nao(プロフ) - 完結、おめでとうございます!!お疲れ様でした。とてもおもしろかったです!!毎回、ワクワクしながら読ませてもらってました((o(´∀`)o))ワクワク 鬱陶しいかもしれませんが…新作待ってます((コソッ (2022年12月9日 19時) (レス) @page47 id: 86640c55e0 (このIDを非表示/違反報告)
もちむ(プロフ) - きらさん» コメントありがとうございます!1番好き…!?ものすんごく嬉しいお言葉です、ありがとうございます🥺更新頑張りますね!💜 (2022年12月1日 0時) (レス) id: 9305aed96f (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - コメント失礼します!今まで読んだお話の中で1番好きです。更新楽しみにしています! (2022年11月28日 15時) (レス) id: 6847181624 (このIDを非表示/違反報告)
もちむ(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしていただけて嬉しいです💜感情移入していただけるほど読み込んでいただいてとても嬉しいです…!妖精さんたちは、姿が見えないだけでかりんさんの近くにいらっしゃるかもしれません…🫣 (2022年11月24日 21時) (レス) id: 9305aed96f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちむ | 作成日時:2022年11月11日 0時