降谷零×社会教師 ページ4
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「おい。」
23と書かれた私の答案用紙を片手に、降谷先生は重低音の声で私に言う。
「どうやったら暗記科目のテストでこんな点数が取れるんだ。」
『すみませんでした…。』
「謝罪じゃなくて理由を聞いてる。」
降谷先生の叱責もさることながら
職員室でお叱りを受けているものだから、他の先生達の視線が痛い。
さきほど、英語科の赤井先生が私に同情して
「降谷くん。その辺にしてやれ。」なんて言って下さったものの、
「お前は黙っていろ赤井。」と余計に降谷先生の機嫌を損ねただけだった。
ってか降谷先生って赤井先生より年下だよね?
呼び捨てなんだ…などと引っかかっていれば
「A?聞いてるのか?」
降谷先生が鬼の形相で私を見る。
慌てて聞いてます、と言ったものの、降谷先生に嘘は通用せず
大きいため息が吐き出された。
「お前、次のテストで平均下回ったら1日10ページ課題の刑にすっからな。」
その口から、恐ろしい取り決めが発せられる。
1日10ページ?
歴史の課題だけで毎日2時間くらいかかるではないか。
さすがに冗談だろうと縋るように降谷先生を見たが、
その目には冗談要素などひとかけらも宿ってなかった。
『嘘でしょ……。』
私の絶望に満ちた声が、放課後のチャイムにかき消された。
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作者名:七葉 | 作成日時:2019年5月6日 0時