遊 郭 の 栗 花 落 さ ん 【鬼滅の刃】

。 ページ19

.









「__姉さん、…ごめんね、…ありがとう.」









嗚呼、カナヲ.









どうして貴方が謝るの.









「…どうして、どうして…謝るの、









私は、酷い女のよ、…！醜くて、穢れた、









罵られるのが当たり前で、__









守る為に、大事な妹を傷付けて、！！









守る為なんて言って、結局わがままなの！









__ごめんね、ごめん、…ごめん、」









取り繕った虚勢は.









ぼろぼろと、__崩壊した.









自分がこんなにも弱いことに.









ひどく吐き気がする.









「都合のいい女」そう言われそうで.









感情が押し寄せるの.









怖いの.









.









「___っ…、姉さん、あのね…！」









何かを悟ったように、カナヲは言った.









まるで、私をあやすかの様に.









.









.








「私は今まで…姉さんに沢山迷惑かけた.









姉さんばっかり叩かれて、お腹空かして.









それでも姉さんは、何時も笑って.









"隠す"から.









痛みを.









辛さを.









苦しさを.









そんな姉さんに甘えてた自分に吐き気がする.









私は…いや、私"も"_ただの都合のいい人だった.









…姉さんも、そう思ってるでしょう？









"自分は、都合のいい女"って.









…だからさ.









きっと、__私も姉さんも.









責任を感じ過ぎたんだよ.









___だから、だからさ.









私たちで、お願いごと、叶えよう.」









.









____"カナヲ、流れ星だよ！









_____"ほんとだ…!









________"お願いごと、カナヲはなんにするの？









_____"うーん…、じゃあ、









"2人で、いつか幸せに暮らす"









.









.









断片的な記憶が、頭の中で狂ったようにリピートする.









幸せな時間もあったよ.









…そう、訴えるように.









幸せになろう.









きっと、私達は.









少なくとも、声に出した筈だから.









だから、食い縛って.









精一杯の、ほんとの笑顔で.









「____ｯ…カナヲ、……ありがとう.」









.









「___うん、」









絡まった糸は、確かにほどけ始めた.

。→←。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す