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「竈門君、貴方…鯉夏のところの子でしょう__.」
「え、鯉夏花魁のこと知ってるんですか?!」
「…鯉夏とは文通してるのよ.」
嫌味じゃないけれど.
どうして私は、鯉夏より人気なのか.
理解が出来なかった.
愛想笑いしかできなくて.
自分で判断も出来なくなって.
誰かに依存しなきゃ、立つこともままならなくて.
いつからこうなったんだっけ.
涙が枯れて.
人形の様になったのは.
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…嗚呼、そうか.
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_____カナヲと離れてからだ.
「…たった一人の妹なの.
だから、せめてカナヲにだけは.
陽のもとを歩いて欲しい.__普通の女の子として.
女の湿った匂いが立ち込める、穢い吉原に.
カナヲに、関わって欲しくないの.
____大好き、愛してるよ.
だから、踏み込まないで.
_____これ以上は、わがままになるから.」
はらはらと涙が舞う.
今すぐにだって逃げ出したい.
こんな穢れた街から.
こんな穢れた身体から.
でももう.
「助けて」なんて言わないからさ.
「__カナヲだけは、せめて…!」
陽のもとを歩いて.
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.
沈黙を破ったのは、カナヲが師範と呼んでいた人.
「…理解出来ません.
姉は何故、妹の為を思ってそう言うのでしょうか.
…私の姉もそうでした.
しのぶだけは、普通の女の子として生きて欲しい.
そう言って逝きました.
.
そんなことで、はいと頷けると思いますか__?
妹だけが普通の女の子として生きる、なんて.
姉だから我慢するんですか.
姉には、陽のもとを歩く権利は無いんですか.
___我儘になっても良いんですよ.」
懐かしいものを見る目で、彼女はそう言った.
…彼女も泣いていた.
いいの?
そう聞くと、力一杯に首を縦に振る彼女.
「…たすけて、」
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弓月有無%(プロフ) - 初コメ失礼致します!!うわーめちゃ良かったです!ある意味キリがいいのかな…またお時間ある時に更新して下さると嬉しいです!ヤンデレ要素大好きで特に好きな話編なので嬉しかったです、また読み返しにきます!コレから応援しております (3月13日 18時) (レス) @page32 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
やぎ - 更新んん!!!まってまぁぁす! (2022年10月12日 21時) (レス) @page32 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々 - 終わっ…てるだと?カナヲちゃん夢主ちゃん助けてあげてぇぇぇ!! (2022年8月7日 9時) (レス) @page32 id: 1d9d8b6f50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 続き…!お願いします…! (2022年4月29日 21時) (レス) @page32 id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
ちおちお - ぶぉえええなんか終わってる〜〜〜助けてくれ〜〜笑 (2022年2月23日 15時) (レス) @page32 id: d4320395aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さといも。 | 作成日時:2019年12月8日 18時