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episode10 ページ10
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だめ。
だめだよ。
忘れよう。
『…A。』
｢あっ、えと、何？｣
『今日はもう寝たほうがええ。
疲れた顔しとる。』
ほら、
ダメだよ私。
大毅に心配かけちゃ。
｢全然大丈夫だよ。｣
『…笑顔が変やで。
大丈夫じゃないやん。』
そんな空元気じゃ、
大毅には通用しなくて。
｢でも…｣
『だめや。
Aは大事やから、
無理させたくないねん。』
そう言うと、
大毅は、
私をお姫様だっこして、
寝室に運んでくれた。
｢ありがと、ごめんね。｣
『ん、俺は適当にご飯食べとくで。
ゆっくり休んでな。』
私を壊れ物みたいに、
優しく、
優しく、
頭を撫でて、
おでこにキスを一つ落とし、
大毅は、
リビングの方に消えていった。
･
｢はぁ…。｣
･
今は、
大毅の優しさが、痛い。
すごく、
痛いよ。
ねぇ、
大毅。
大好きだよ。
大好き、
だけど、
私は
このままじゃ
貴方を
裏切って
傷つけてしまうかもしれない…。
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作者名：かずな | 作成日時：2016年2月14日 22時
