▽オキナグサ▽束縛【 Daiki / Ryusei 】 (ページ45)

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episode45 ページ45

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恐怖と痛みで

身体を起こすだけで精一杯な私は、

机の脚に寄り掛かり、

ボロボロな服はそのまま

2人の話を聞いていた。

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「重岡？

あぁ、

Aの手握ったあの新入りだな。」

『そうや。

なぁ

彼氏さん。

手握ったくらいでお仕置きは

酷いんちゃうか？

さすがに可哀想やで。』

・

彼は、

ヤツを蔑むような目で見つめ

顔を顰めた。

・

「何で重岡がそれを知ってんだよ！」

『たまたま聞こえたから、

不可抗力や。

……そうそう、

面白いもん見せたるわ。』

・

　
すると彼は

少しだけ私達に近づき、

スマホをこっちに向けて

にやっと笑った。

・

『たまたまいい動画撮れてな。

ほら、

綺麗に映ってんで？

こればら撒いたらどうなるんやろなぁ。』

・

それは、

今までの私達の

一部始終が

録画された映像だった。

・

「くそっ！」

『待て、

逃げるな。』

・

彼は片手で

逃げるヤツの腕を捻り上げ、

膝で身体を

机上に押さえつけた。

本当に痛いのか、

ヤツは大人しくなり

涙目になっていた。

・

『彼女に謝れ。

そして今すぐ別れるんや。

早くせな

この動画ばら撒くで。』

「……くそっ。

す、すまなかったA。

別れよう。」

・

そういったヤツの姿は

とても滑稽だった。

今までにされてきた

お仕置きの数々を思い出し、

怒りがふつふつと湧き上がってくる。

そして、

私の中で何かがプツンと切れた。

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