▽オキナグサ▽束縛【 Daiki / Ryusei 】 (ページ43)

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episode43 ページ43

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その日の活動が終わった後

帰る準備をしていたら、

誰かに肩をトントンと叩かれた。

振り返ると、

にやっと口角を上げて

嫌らしい顔をしたヤツが

そこにいた。

いつも通りなら

そのまま帰るはずなのに、

鞄を持っていなかった。

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「ほら、いくぞ。」

「えっ？」

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状況が飲み込めず

ぽかんと突っ立っていると、

手を引っ張られ活動部屋を出た。

皆それぞれが下校している中、

私達は正門と

反対方向に向かっていた。

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「ねぇ、

どこに行くの。

帰らないの？」

「帰らねぇよ。

先にお仕置き済ますんだ。」

・

　
ほら着いた。と

見慣れない扉の前で立ち止まった。

開けてみると

そこは、

使われていない資料室だった。

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「ここ？」

「あぁ、ここだよ。」

・

　
そのまま手を引かれて

幾つかの本棚を抜け

奥の方に進むと、

ぽかんとした空間があり、

長机とパイプ椅子が

こじんまりと壁際に沿って置かれていた。

それ以外は特に何も無い。
　

手を離すと

ヤツは机の上に座り、

手招きしてきた。

でも動かない私をみて

ヤツはふっと笑うと、

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「いいだろ？

この資料室。

滅多に人来ないから、

安心して声出していいぜ。」

　
「何よそれ。

バカじゃないの。」

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そんな意味不明な理由で

誘おうとしてきた。

私は帰ろうと

ヤツに背を向けた。

・
　

「おっと、

もし逃げたらお仕置き

倍にするからな。」

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