▽オキナグサ▽束縛【 Daiki / Ryusei 】 (ページ42)

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episode42 ページ42

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『初めまして。

Aさんで合ってますか？』

「ええ、

そうですけど……？」

『これからよろしくお願いします！』

・

すると

勢いよく手を握って

上下にぶんぶん揺さぶってきて、

いきなりのことに

驚きで固まってしまった。

・

「こーら重岡。

この子は俺の彼女だから

お触り禁止だ！」

・

その声が聞こえて

すぐに振りはわれた手は、

ヤツによって握り直された。

彼はきょとんとしていたけれど、

へへっごめんなぁと言って

みんなの輪の中に消えていった。

ヤツは、

彼がいなくなったのを確認すると

手をそのまま胸元まで

ぐいっと引き寄せた。

必然的に、

ヤツとの距離が近くなる。

・

「お前は目も離せねぇ

仕方ない奴だな。

もちろんお仕置きだ。」

『っ……。』

「あいつの手を振り払わなかった罰だ。

分かったな？」

『う、ん。

分かった。』

「よし、

いい子だ。」

・

周りに聞こえないよう囁き、

頷いた私を見て

満足したのか

どこかに行ってしまった。

そう、

当時の私は

彼氏からDVを受けていた。

誰かに相談して

もしヤツにバレてしまったら

もっと酷いことをされるかもしれない

と、

そう思ったら

助けを求めることも出来なかった。

でも、

そんな

最悪な状況に、

唯一気づいてくれた人がいた。

それが彼、

重岡大毅だった。

・

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