▽オキナグサ▽束縛【 Daiki / Ryusei 】 (ページ40)

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「大毅、

やめてっ。

そんなこと言わないで。」

『だって、

全部俺のせいや。』

「違うよ。

私が、

私が大毅との約束守っていれば

こんなことには！」

『A、

ええんや。

そもそも約束なんて

俺達には必要なかったのに、

縛り付けたんは

変えられない事実や。

ごめんな、

もう解放したるから。』

「えっ、

それって……。」

・

大毅が大きく息を吸ったところで、

咄嗟に

右手で口を塞いだ。

その先を聞きたくなかった。

言わせたくなかった。

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『っ……。』

「言わないで。

お願いだから、

その先は言わないで。」

・

口を塞がれた大毅は

抵抗はしないものの、

離せと目で訴えかけてくる。

怖い。

怖いけど、

ここで引き下がってしまったら

きっと私達は

夫婦でいられなくなる。

・

『何でなん？

これはAのためや。』

「違う、

違うの。

本当に私が悪かったの。

だからその先は言わないで。

お願い。

お願いだから……。」

・

目を閉じると

涙が零れていくのと同時に、

今まで大毅と過ごした日々が

勝手に脳内で再生されていく。

あぁ、

私。

大事なこと、

忘れてたよ。

・

・