episode2 ページ2
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｢ねえ、大毅。｣
名前を呼べば、
ん？って眠そうな顔して、
首だけこっちに向ける彼。
ベッドから離れたくないのか、
枕を股に挟んで、
布団を顎のとこまで被ってる。
｢起きないの？｣
『ん、あと5分。』
子どもかよ、
とか心の中で思いながら、
ぎゅーっと握ってる掛け布団を、
互いに引っ張り合う。
昨日は、
テレビゲームに夢中になってて、
夜通しやってたみたい。
明日も仕事あるって大毅が言うから、
早く寝させようと思ってたのに。
｢ねぇ、起きてって。｣
『…』
堂々と二度寝してるし。
まだ起きそうにない大毅に、
はぁ、ってため息ついて、
朝食の準備のために、
キッチンに戻る。
味噌汁を温め直していると、
何も言わず、
のそのそと起きてきた彼は、
ふかふかのソファに横になって、
大きなあくびをひとつ。
ようやく起きたかと思って振り返ると、
3度寝してた。
｢こら、風邪引くよ。今日は寒いんだから。｣
『…』
話しかけても反応なし。
だめだこりゃ。
それから3分たった。
テーブルには、
もう朝ごはんが並べられているのに。
これじゃ、
温めた味噌汁も冷めちゃう。
早いとこ起こさないと、
不味くなっちゃうよ。
｢大毅、
起きなかったらお昼の弁当無しね。｣
『…んーだめや。』
｢じゃ、起きるよね？｣
そう言えば、
ソファに座り直して、
眠い目をこすりながら、
ちゃんといただきますって言って。
ボロボロと卵焼きこぼしながら、
美味しい美味しいって言って、
食べてくれてる。
｢今日のお弁当には好きなもの入れたからね。｣
『……ﾍﾟｺｯ』
寝ぼけてる上、
口の中にいっぱい卵焼きを入れている彼は、
何を聞いても会釈で返す。
ちょっとイラッとするけど、
可愛いから許す。
ボサボサの頭には、
髪のケアのために
きれいに巻いていたタオルがのっている。
今は、
ぐっちゃぐちゃになってるけど、
そんなとこも可愛い。
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作者名：かずな | 作成日時：2016年2月14日 22時
