「繊細」 ページ7
高地side
松村 )…どうしたらいいの？
高地 )それの何が問題なんだよ。
松村 )家に京本大我が居るんだよ？しかも、一緒に住むとか言い出して…
大学に登校しながら隣で項垂れている幼馴染の頭を優しく撫でてやろうとすると
京本 )おはよ、俺の北斗なんだけど…？
後ろから伸びてきた腕にしっかりと防御された。
松村 )な、何で…
京本 )送って行こうかと思ってさ？北斗可愛いから変な人に捕まらないかとか、心配で。
松村 )…ぅ、
涙目で俺の方を見てくる北斗は確かに可愛い。
というか、北斗は本当に綺麗ではある。
しかし俺は別に北斗をそういう目で見たことは無いし、今更恋愛対象に見る方が無理だ。
なのに。
鈍感すぎる北斗は俺の腕に擦り寄ってきたかと思えば、そのまま俺の手を絡め取るように繋いできた。
そう、恋人繋ぎというやつだ。
松村 )高地、助けて？
大我さんの綺麗な顔がどんどん歪み初め、俺はもう今視線だけで殺されるのではという程に背筋が凍えている。
京本 )…北斗、こっち来て？
松村 )いや、だって、たいが…
京本 )ん？俺が何？
北斗に向けられる視線と声だけ驚く程に優しくて、大我さんは本気で北斗の事を好きなのだと俺は確信した。
松村 )変な事してくる…
京本 )好きな人にキスしたいって思うのは変なことなの？
え。
2人は一体どこまで進んでいるのか。
北斗の態度を見ている限りキスすらお預けを食らっているだろう大我さんを、心の中で哀れんでいた。
高地 )大我さん、人には人のペースがありますから。
北斗はもう耳まで赤くなり、視線を落として完全にキャパオーバーになっていた。
京本 )こんなの待ってたらキリがないでしょ。
高地 )大我さんが思ってるより北斗は繊細で、傷付きやすいですよ。大切な物だからこそ触れたいのは分かりますけど、それで傷付けたり失ってしまったら意味ないですよね？
大我さんは北斗に向き直ると
京本 )北斗、気を付けて行ってらっしゃい。帰ってくるの待ってるから。
それだけを言えば北斗の返事を聞くより前に踵を返しマンションの方へ歩き始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 365人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のと。(プロフ) - uikeさん» コメントありがとうございます！ご期待に添えるようにこれからも頑張ります！！ (5月25日 11時) (
レス) id: 245ee32d81 (このIDを非表示/違反報告)
uike(プロフ) - 続き楽しみに待ってます！！私好みですごく面白かったです！ (5月22日 20時) (レス) id: 661aaf06b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のと。 | 作成日時：2023年5月17日 10時
