第5章「速報」 ページ20
高地side
北斗と大我さんの関係が順風満帆すぎて俺はいつも邪魔者になっていたので、北斗から連絡が来るまでは自分の家で時間を潰していた。
何気なくつけていたTVから聞こえてきた音が突然俺の耳にも届いた。
アナウンサー )速報です。俳優の京本大我さんの恋人は大学生___
いつもならただのBGMにしてしまうものも今ばかりは目が離せなくなっていた。
高地 )え?
2人の関係がバレたのだ。
.
さっきから北斗は黙り込んでいて俯いている。
ニュースの後俺は心配で隣の北斗の部屋に駆け込んだら北斗は1人で泣いていた。
勿論どちらも声を発する事なんて出来なくてこの部屋にあるのはただ重たい沈黙だけ。
松村 )どうしたらいい…?
北斗がぽつりと呟いた。
松村 )俺、まだ、ちゃんと言えてない…大我に好きって、言ってない…!
高地 )北斗もういいから。
今は何も言わなくていい。
そんな思いを込めて北斗を抱きしめた。
泣きながら言葉を紡ぐ北斗を見ていられなかった。
.
しばらくすると北斗は気を失うかのように眠りについた。
京本 )北斗!
高地 )あ、さっき寝ました…
大我さんは急いで帰ってきたのか汗をかいて息もあがっていた。
眠っている北斗の隣に腰を下ろすと
京本 )…ごめんね、北斗。
高地 )聞きたいことあるんですけど、いいですか?
京本 )ニュース見たんでしょ。
高地 )北斗の事…
大我さんは北斗の手を握り締めたまま泣くのを耐えていて顔も酷く歪んでいた。
京本 )北斗の事は諦める気は無い。
良かった。
大我さんの北斗への気持ちは痛い程に理解していたし、北斗だって大我さんの事を凄く大切に思っている。
京本 )だけどもし俺のこの決断で北斗を追い詰めてたらって思うと不安なんだ。
高地 )大我さん…
京本 )俺は北斗の為なら何だって捨てて構わない。芸能界だってスカウトされて入っただけだし、北斗を傷つけてまで演技をしたい訳じゃない。だけどこれが北斗の負担になってしまうなら俺は…
松村 )たい…が?
北斗は目の前に居る大我さんを認識するとハッとして、恐らく無意識に大我さんへと伸ばしていた腕も引っ込めてしまった。
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のと。(プロフ) - uikeさん» コメントありがとうございます!ご期待に添えるようにこれからも頑張ります!! (5月25日 11時) (レス) id: 245ee32d81 (このIDを非表示/違反報告)
uike(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!!私好みですごく面白かったです! (5月22日 20時) (レス) id: 661aaf06b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと。 | 作成日時:2023年5月17日 10時