第4章「意識」 ページ15
松村side
俺と慎太郎は高校の入学式の日、偶々席が隣だった。
最初の印象は本当にそれだけ。
クラスの中心に居る慎太郎は眩しくて、誰からも好かれて本当に太陽の様な存在だった。
森本 )俺さ勉強って必要ないと思うんだよね?
松村 )屁理屈言わないで早くやってよ。
慎太郎の唯一欠点は勉強が出来なさすぎる事だった。
テストはほとんど1桁でこのままでは2年にすらなれない程だった。
俺は勉強は嫌いじゃなかったので学年でも上位の成績をキープしていた。
先生に頼まれて慎太郎の補習までの1か月程は図書室で勉強をするようになった。
森本 )じゃあ、俺が2年になれたらご褒美ちょうだい。
松村 )何言っての。
森本 )北斗ってさ綺麗だよね?
そう言って不意に伸びてきた慎太郎の手が俺の頬に触れた。
松村 )っ…なに、
森本 )な〜んて。明日からテスト頑張って北斗と一緒に2年生なってくるわ。
慎太郎はヘラっと笑うと早口に告ればその手を解いて図書室を出ていった。
この時から俺は慎太郎を意識するようになってしまっていた。
.
2年になり慎太郎とはクラスが離れてしまい一緒に過ごす時間が格段と減った。
登下校とお昼の時間くらいしか一緒に過ごせなくなっていた。
それと同時にあまり良くない慎太郎の噂が流れ始めた。
だけど俺はあまり気に止めていなかったし慎太郎の口から語られることだけを聞いていた。
森本 )俺さ、彼女出来たんだよね。
お昼休みに突然言われた言葉。
とうとう慎太郎の口から告げられた。
噂では慎太郎が誰々の彼女を寝とったとか一夜の関係を色々な人としているとか不純なものだったけど、慎太郎はそんな事はしない。
松村 )おめでとう。
俺はそれを返すのが精一杯だった。
だけど1ヶ月もしないで別れてしまった。
それからというもの彼女を作っては1ヶ月くらいで別れてを繰り返していた。
松村 )また別れたの?平気なの?
慎太郎は別れてもけろっとしていて普段と何も変わらなかった。
俺はそれが不思議だったけど聞く度に慎太郎は
森本 )俺の想いは伝えられないからさ。
これ以上聞くなと言われたみたいにその一言でこの話は終わりと釘を刺された。
.
京本 )ふーん。まぁ、今北斗の手を繋いでるのは俺だからもう誰にも譲らないけどね?
松村 )はぁ…?
俺は大我を引き止めて初めて自分の話をしていたら興味無さそうなこの態度。
引き止めず出ていかせれば良かったかと心の中で毒吐いた。
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のと。(プロフ) - uikeさん» コメントありがとうございます!ご期待に添えるようにこれからも頑張ります!! (5月25日 11時) (レス) id: 245ee32d81 (このIDを非表示/違反報告)
uike(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!!私好みですごく面白かったです! (5月22日 20時) (レス) id: 661aaf06b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと。 | 作成日時:2023年5月17日 10時