「メッセージ」 ページ14
京本side
雑誌の撮影を終えて樹と次のスケジュールを確認していたらスマホにメッセージが入ってあった。
“北斗が倒れました。昔北斗が好きだった相手が俺らの大学に来ました。”
メッセージは端的だったけど高地が俺に何を伝えたいのかはすぐに分かった。
京本 )樹ごめん、俺帰る。
田中 )車出すわ。
樹は俺に無理して何かを聞いてくる事もせずただ受け入れてくれる。
本当に出来たマネージャーだと思う。
.
田中 )今日の仕事はキャンセルとして明日以降どうすんのか、連絡しといてな。
京本 )ごめんね。
樹は家の下まで送ってくれた。
急いで家に帰るとベットに眠る北斗の姿があった。
顔色もそこまで悪くなさそうで少し安心した。
松村 )大我は何で俺なんかの為にこんな所に居るの?大我が笑顔にしないとダメなのは俺じゃない。テレビの前のファンの人でしょ?
京本 )なら北斗は…?
目を覚ました北斗はまた俺に壁を作るような言葉を続けた。
俺の知らない北斗との過去がある事を今日思い知らされた。
その事実だけでも嫉妬で狂いそうだった。
京本 )いつも北斗は俺に壁を作って本音は隠す。その癖に俺を見詰めてくる眼差しは暖かくて優しくて。そんな態度だと俺が北斗を諦めきれないんだよ…。今日だって倒れたって聞いてどれだけ不安だったか北斗に分かる…?俺はどうせ他人だよ。友達でも家族でも恋人でも無い。ただの他人、そんな事分かってる。けど俺は北斗が好きだから、俺の知らない北斗が居ることが苦しくして悔しくて…
気が付けば俺は今までの気持ちを全てぶちまけてしまっていた。
こんな事は北斗を困らせるだけだって分かっているのに。
京本 )北斗ごめ…
松村 )…待って
これ以上北斗を目の前にしていると間違えなく嫉妬で押し倒してしまいそうで、そんな自分を止めることが出来なくて部屋を出ようとした俺を引き止めた北斗の手は震えていた。
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のと。(プロフ) - uikeさん» コメントありがとうございます!ご期待に添えるようにこれからも頑張ります!! (5月25日 11時) (レス) id: 245ee32d81 (このIDを非表示/違反報告)
uike(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!!私好みですごく面白かったです! (5月22日 20時) (レス) id: 661aaf06b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと。 | 作成日時:2023年5月17日 10時