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両思い 4 ◇織田くん視点 ページ48







 
「まあまあ、そんなやってみないとわかんないことだしさ〜。だいたいフィギュアスケーターがサッカーなんてやれないし……いいじゃん、もう……」


なんとかこの話題を終らせるべく切り込んでみたものの……
悪くなった雰囲気はどうにも収集がつかない状態で

「まぁいーや。実際やったら白黒はっきりするだろうし。
 やる機会あったら、そのとき証明するよ。ね、A」

「え? ああ、うん」

いきなり振られたAちゃんの適当な相づちに昌磨が厭そうな顔で言う。

「A、どうでもいいなーって思ったでしょ、今」

「あは、バレた?」

「バレバレ。だいたい誰のせいだと思ってんの?」

「だーかーらー子供じゃないんだって……わっ!」

くしゃくしゃと髪の毛ごと頭を撫でる昌磨の手から逃げようと後ずさった先にはパイプ椅子があって……
「あ、あぶないっ」
そう口を告いだ言葉は既に遅くて、蹴つまずいたAちゃんの身体はグラリと傾いだ。

「A!」

とっさに支えた昌磨もぐらついて……。
一瞬の出来事だったけど



「げっ……」



思わず声が洩れた。
おもいっきり見えたよね……。
ヤ、ヤバいでしょ……!
怖くてゆづくんを振り返れない〜!!


「あ、ごめん。……触った。マジでごめん」


Aちゃんの頬に触れた昌磨の唇。
でも頬だったからね?って、何の慰めにもなりゃしねーよ!!
事故!事故じゃん!誰も悪くないよね!ね?ゆづくん!
思わず懇願するように振り返るけど、据わった目のゆづくんがすんげぇ睨んでるし〜。
わー!!もう誰か助けてくれ!ってか、落ち着け俺っ!


「あはは、高いよ〜」

「はぁ? 金とるの?」

馬鹿ぁ〜!そんなボケとツッコミしてる場合じゃないだろ!

「じゃなくて、ありがとう。頭打つとこだった。昌磨くんこそ大丈夫?」

「俺は大丈夫なんだけど……」


やりすぎた。昌磨がポツリと呟いた言葉を俺は聞き逃さなかった。
だよね。わかるよ。気持ちはわかるけど相手が悪いよ〜!
そう、全然大丈夫じゃない人がここに……。



「おーい、昌磨たちこっち来てる〜? いたいた。立ち位置少し変わったからちょっと打ち合わせするよ〜」


一人焦りまくる俺にやっと天の助けのようなスタッフの声がかかった。
心底ホッとしたけど、この後のことを考えると……
いや、考えたくない……。




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設定タグ:羽生結弦 , フィギュアスケート , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:mirin | 作成日時:2021年3月8日 0時

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