両思い ２ ◇織田くん視点 ページ46
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「あ、これ織田くんの分ね」
頼んでいた飲み物をAちゃんから手渡されて受け取ると
「俺のは〜？」なんて昌磨が言う。
「ごめん、ないね〜」
「じゃあそれでいいや」
笑いながら返したAちゃんの手から昌磨がペットボトルをさらって
「あ」
なんでもないことのようにキャップを開けて一口飲む。
わー！昌磨のばかっ、やめとけよっ！
ほら、ほらぁ〜！怖いよ、ゆづくんの目が怖いからー！
て、なんで俺がこんなに焦んないといけないんだよ〜！
「ん〜生き返ったー」
「昌磨くん、そんなに喉乾いてたの？ これあげようか？」
「んー、もう十分ー」
Aちゃんもゆづくんが昌磨のことをやたら意識してるのは知ってるんだろうけど、
まぁ昔からの友達だし、二人にしたらこれが自然な感じなわけだし？
ね？ゆづくん、だから睨むなっての！
そんな水面下での俺のハラハラした内心を余所に
後輩たちとゲームの話を始めたゆづくん。
アイスショーに帯同しているカメラマンに撮ってもらったらしいポラロイドを見せ合う昌磨とAちゃんにとりあえず俺も混ざってみる。
「あはははは！昌磨くんの変顔おもしろすぎるー！ツイッターにアップしたくなるー！」
「アホ！こんなんファン減る！」
「どれ？」
Aちゃんの手元をのぞき込むと、普通にしてればカッコイイのに無駄に渾身の変顔をしてる昌磨が写っていた。
渾身すぎて思わず吹き出した。
「ね！織田くんも笑うよね！」
よほどツボにハマったのか目に涙まで浮かべて笑うAちゃん。
「笑いすぎじゃね？」そう言ってじゃれるようにAちゃんの首に腕を回した昌磨。
あれ？ちょ、ちょっと…やばいんじゃないの…？
「あんまり笑ってるとまた噛むよ？」
いや、駄目！
それは駄目だってっ！昌磨っ！
「え！あれ痛いから！無理！」
そうそう。Aちゃんもっと必死に抵抗しとけっ！
でないと……
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作者名：mirin | 作成日時：2021年3月8日 0時
