片思い２ (ページ45)

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両思い１ ◇織田くん視点ページ45

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＜after days 1 side-N-＞

空気がね、ものすっご～く重いんですけど～
めちゃくちゃ居づらいんですけど～
ちょっと、席外していいですか？
ていうか、ここは俺の楽屋でもあるんだよね？そうだよね？

「どこ行くの？ノブくん」

「え？えーと、トイレ……かな？」

俺、なんで疑問形？
ゆづくんの声に自分でもおかしな返答をしたと思う。

「織田くん、さっきもトイレいってたよね？」

Aちゃんも何か言いたげな顔でこっち見てて……。
　
「え～と…」

「ねぇ、ノブくんはどう思う？……全面的に俺が悪いの？」

唸った俺に掛けられたゆづくんの声にげんなりする。
もう…それ聞かれても困るから逃げたかったのにっ！
この恐ろしく重い空気の原因を作った昌磨を恨んだ。
爆弾落として、自分はさっさと退散するってズルイいだろ！

ことの発端は遡ること半時間ほど前。
アイスショーが始まる前の空き時間。
たまたま隣の楽屋にいた昌磨と後輩たちが挨拶がてら俺たち(ゆづくんと俺)の控え室に顔を見せたのが始まりだった。

「お疲れ様でーす！」

「なんだ～、こっちからも行こうかと思ってたのに」

「あれ？羽生くんは？」

後輩が辺りを見渡してから尋ねる。

「ああ、自販まで行ってる。もう帰ってくるんじゃない？」

あれ。Aちゃんと一緒に行ったんだっけ。
ん？てことは二人一緒に帰ってくる？と、微妙に嫌な予感がしたのと同時だった。
笑い声と共にゆづくんとAちゃんの二人が楽屋に入ってきた。
　
「あ、昌磨くんたち来てるー！おはよー」

笑顔で声をかけるAちゃんの隣で、一瞬複雑な顔をしたゆづくんを俺は見逃さなかった。
いや、見逃してればいいのに見ちゃう俺。
　
「今日も笑顔が眩しいね～Aは」

「あはは、何それ。わたし太陽系？」

「なに？いつから惑星の話してんの？」
　
なんだかよくわからないAちゃんと昌磨の会話。
後輩と挨拶を交わしてるけど、ゆづくんが意識してるのは明らかで……。
まぁ、俺しか気付いてないけど……。
　

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