片思い２ (ページ41)

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何度も願って、諦めるしかないって思ってた。
だけど変わらなくて、忘れられなくて、どうしようもなくて。

「Aは？……俺のこと、どう思ってるか教えて？」

止めどなく生まれ続ける想いを口にする勇気。
私には必要ないはずだった。

「ねぇ……」

ゆづくんの優しい声だけが胸に響いていた。

「教えて……？」

言ってもいいの？
そう問いかけるように見つめた目が優しく細められて……。
そんな控えめな合図に、ゆっくりと口を開く。
ずっと、心の中にあった大切な言葉。

「好きなの……、ゆづくんのことが大好き……」

上手く声が出せたかな……。
泣いてるせいで、鼻声なんじゃないかな……。
何も言わないゆづくんに不安がよぎって、俯いていた顔を上げると、困ったような顔をしたゆづくんがいた。

「なんか、嬉しすぎて泣きそう……」
　
「えぇ……、なんでゆづくんが……」

「嬉しいんだよ、悪い？」

「だって……これ夢？夢なのかな……？」

「人の真剣な告白を夢にしないでよ……」

「ご、ごめんなさい……」
　

ふいに伸びてきた指先が頬の涙をさらう。
伝わる体温にまた泣きたくなるけど、続いて近づいてきた瞳に吸い込まれた。
見つめるとそれは優しく微笑んで、頬に触れた唇の温もり。
抱き締められて、ゆづくんの体温と自分の体温がぴったりと寄り添うみたいだった。

「A、あったかい……」

体中に満ちていくのは何だろう……。
あったかくて、愛しい……。
それは傷跡を優しく包んで
もう、痛みなんて感じない。
今までの苦しい想い全部が解けて流れていく。

「ゆづくん、ありがとう……」

自然と溢れた言葉。

　

ゆづくんを

好きになってよかった。

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