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71◇羽生くん視点 ページ21
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Aが、泣いた?
頑ななまでにみせなかった弱さを俺にじゃなく、なんで昌磨なんだよ。
込み上げてくるのは怒り、悲しみ、むなしさ。
何もかもがぐちゃぐちゃになった感情で、握りしめていた指先が震え出すのがわかった。
「ゆづくん?」
押し黙ったままの俺に掛けられる、訝しげな声もどこか遠い。
その声に返す言葉は、きっと感情にまかせたひどいものになってしまう。
だから、繋ぎ止めた僅かな理性で黙るしかなかった。
仲間として、友人として、その傍にいる人間として、Aが心を許す存在に、俺はなれない?
ずっと目を逸らし続けてきた、この感情の名前に今、確信を持ってしまった。
俺は昌磨に「嫉妬」してる。
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作者名:mirin | 作成日時:2021年3月8日 0時