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６９◇羽生くん視点 ページ19
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下っていくエレベーターには、静かに機械音が響いているだけ。
狭い空間の中、交わされる言葉はないまま、デジタル表示される階数ランプをぼんやり眺めていた。
「ありがとうございました〜」
店員の甲高い声を背にうけてコンビニを出ると、何も言わない昌磨に、いい加減イライラしている自分に気付く。
自然と早足になる歩調。
それでも、俺の少し後ろを歩く気配に意識は集中していて…
「ゆづくん、ちょっといい？」
やっとかけられたモーション。
指さす先は近所の公園だった。
こんな時間だから人も見あたらない。
「何？」
白々しく応えて、促されるままに公園へと足を踏み入れた。
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作者名：mirin | 作成日時：2021年3月8日 0時
