片思い２ (ページ16)

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６６◇羽生くん視点ページ16

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並んで立っている後輩達を確認してオートロックを外す。
しばらくしてもう一度玄関先のインターホンが鳴るまで、ぼんやりと立ち尽くしていた。

「こんばんは～！」
「はーい。いらっしゃい」

元気のいい揃った声に、返した自分の声はひどく枯れていて
　
「…ひょっとしてゆづくん寝てた？」

「え？あ、うん。なんか気がついたら寝てた」
　
そんな後輩の言葉にどきっとした。
きっと寝起きでいつもより声が低くなっていたから。

「なんか、ごめんね。今アイスショーのリハで忙しいのに俺、無茶言ったかなって…」

「ばーか、変な気使うなよ～。だからこそ気分転換が必要なんじゃん？」

ホッとしたように微笑んだ後輩に、気乗りしないだの散々滅入っていた自分が大人げないような気がして恥ずかしくなった。
　
「よかったぁ。こいつずっと気にしてたんですよ～」

からかい混じりに言った子に「言うなよ～！」と恥ずかしげに返す。
そんなやりとりに自然と笑みが漏れた。
　
「まぁ、とりあえず入って。あと三人はまだだから」

「お邪魔しまーす」

次のインターホンが鳴らされるまでの間、他愛のない話で盛り上がったりと、あっという間に過ぎた時間。
後輩の二人の無邪気な笑顔に癒されるようだった。

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