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「もしもし……」

『A出るの遅すぎ!』

私の第一声と被るようにして返って来た真琴の大きな声に思わず耳元からスマホを離す。

「……声でか。なに怒ってるの?」

『出るの遅いのが悪い。ところで今何してる? 今日はレッスン、個別も通常も全体も休みだよね?』

ものすごく理不尽な言われ方だけど呆れて反論する気にもならなかった。

「休みで家にいるけど……」

『じゃあ今からあたしの家に来ない? 昌磨いるんだけど、新作のゲームやってるの』

「う〜ん、今からか……」

明日も練習あるからなぁ……と明日の事を想像して唸っていると真琴の声が不機嫌になってくる。

『いいじゃん、暇なんでしょ?』

まだ迷っていると奥から「かわって!」という声がして「ちょっと昌磨!」と真琴の声が遠くなった。

『もしもし? A?』

「あ、昌磨くん? ひさしぶ……」

『早く来て! 助けて!俺を慰めて!』
 
なんだなんだ……?
ゲームにでも、負けたのかな?
負けず嫌いだからな昌磨くんも。
だけどそれだけではなさそうな不機嫌そうで投げやりな昌磨くんの声。
何かあったのかな………? 心配になった。

「……わかった。今から行くね」

『早く来てね!』
 
通話はぶつりと切られた。
なにこれ……。
ワガママな彼女を持った彼氏って、こういう感じなのかなぁ。





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設定タグ:羽生結弦 , フィギュアスケート , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:mirin | 作成日時:2021年3月6日 15時

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