片思い (ページ24)

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夢を見た
最近何度も繰り返し見る夢だった
リンクにいたはずの私
だけどいつの間にか私は夜の闇の中にいて
足の先に黒い闇が迫ってきている
目の前に広がる恐ろしく静かな暗闇は
身体に纏わりついて足元から沈んでいく
怖くて叫びたいのに
声を上げることもできず、ただ闇にのまれていく
助けを乞うように脳裏に浮かんだその名前を
呼ぶことはできなかった
　

　＜act.5＞

緩やかに訪れた覚醒は張り詰めていた糸が切れたような感覚だった。
なんだろうこれは……。悪夢？
見なれた天井を確かめて重い息を吐き出す。
気付けば額に嫌な汗を感じて目を閉じる。
いつのまに眠ってしまったんだろう……。

「もう７時……」

どうりで部屋が暗いはずだと締め切ったままだったカーテンを少し開いてみたけど、そこにはただ薄暗い空が広がっているだけだった。
まるで今の私の心みたい……。
憂鬱な眺めにすぐにカーテンを閉めた。
だらりとベッドから投げ出した手に力無く握っていたスマホは鈍い音ともに床に滑り落ちた。

たまの日曜の完全休みの日。
アイスショーのリハーサルが始まるスケジュール前の貴重な時間だったけど、どこかに出かける気にはとてもなれなくて……。
一人暮らしだから誰にうるさく声をかけられることもなくて、一日ベッドに沈み込んでダラダラと過ごしていた。
心も体も何だか怠くて、なにもする気になれなかった。
お腹も空かないし、もう少しこのままでいようと決めて寝返りをうったとき、無音だった室内にスマホの着信音が鳴り響いた。
誰だろう……。そんなことを考えながら、さっき床に転がしたスマホをもたもたと手探りで引き寄せた。

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