【HQ】ピアノが弾けなくなった少年がバレー部と出会い愛される話。2

57曲目 ページ12

少し前の月島サイド



小さい頃、たまたま行ったピアノの演奏会。

始めは面倒くさくて早く終わってくれと思っていた。

そんな時、1人の子を見つけた。


月(女の子？…じゃないか。
ズボン履いてるから男の子だよな…

なんか…綺麗だな)



容姿も、演奏も、全てが「綺麗」だった。

そんな姿に見惚れていると、あっという間に演奏が終わっていた。


その後に演奏会もすぐ終わった。



母さんが知り合いと話をしてる時に、近くのベンチに座ってるさっきの子を見つけた。

僕は「トイレに行く」といって小走りで近づく。

その男の子は、何処か見つめて足をぶらつかせて誰かを待っているようだった。



月「あ…あの！」

貴「…？だれ？」


首を傾げながらこちらを不思議そうに見つめてくる姿に少しドキッとした。


月「えっと…ピアノ！凄かったです…」

貴「…あ！もしかして、演奏きいてくれたの？」

月「うん」

貴「わぁ！嬉しいな！ありがとう！！(ﾆｺﾘ」

月「ｯ！」


無邪気に笑う姿に思わず頬を赤くした。

その後、「奏ー！」と言う声が聞こえて立ち上がる男の子。


奏っていうんだ…

と思って居ると突然手を掴み僕の顔を見てきた。


貴「今日は演奏きいてくれてありがとう！また、演奏する時はぜひ来てね！」

月「！う、うん。」

貴「それじゃあ！バイバイ！」


そう言って男性の元に駆け寄る男の子。



…名前、聞き忘れちゃった。

そう言えば…と思い、パンフレットを開き奏という名前を探す。


月「あ、いた。…柴原奏…」

名前も綺麗だな…

そう思いながらパンフレットを閉じて、母さんの元に向かう。


ピアノの演奏でこんなに興味が湧いたのは初めだな…。




また…会えるかな……。



その後、僕はあの子に会うことは無かった。


探してはないが、忘れることは無かった。



いや、忘れられなかった。


あの笑顔も…

あの演奏も…


全て、忘れられなかった。


月(まぁ、もう会うこともないだろうな…)


その時の俺はそう思っていた。





東京合宿の時だった…___


主将たちが音駒の主将と話していてる時、1人の男が来た。


月(…ｯ!?)

貴「は、はじめまして。音駒のマネージャーをしてます！2年の柴原奏です！」


そう言いお辞儀をする姿が見えた。


無邪気な笑顔は無かったが、名前と容姿ですぐに分かった。


間違えない。あの時の子だ…


その時、僕はチクチクする気持ちを抑えながら感じた。




彼をおとしたい。と…____

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