弍拾壱 ページ24
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「……!!見つけた」
ガタイのいい鬼が先程の猪頭の少年と木箱の少年を相手にしている
気配を最小限に抑え、感覚を澄ませる
その気配の揺らぎの流れが一番大きくなったその瞬間、私はその鬼に飛びかかった
「………っち、」
頸が斬れない
まあ、呼吸を使わずに刀を振り下ろしたので想像の範囲内ではあったが
「ウオオオオオオオオ」
「うるさいな、吠えるなよ雑魚鬼」
木箱の少年と猪頭の少年が驚いたように此方を見ている
二人ともかなり満身創痍だ
鬼は大分荒ぶっているようで、呼吸や気配が大分乱れている
向こうの糸を操っている鬼の方が弱いようだ
彼らはそちらに向かわせるか
「あなたはあちらの糸を操っている鬼の方を頼めますか、此方は私が片付けますので」
「……!!わっ、わかりました!!後は頼みます!!」
木箱の少年は私の言葉で走り出した
猪頭の少年は既に骨が数本折れている
……彼は安静にさせておくべきか
「……全集中・夜の呼吸、参ノ型、月詠」
月明かりが鬼を浄化するように
優しく頸を切り落とした
……やはり呼吸を使うと体力を消耗するな
「………す、すげぇ」
「ああ、怪我は大丈夫ですか?あまり動かない方がいいと思いますけど」
私が声をかけると彼は俯いてぷるぷると震えた
どうしたのだろうか
「…………おいお前!!!!俺様と勝負しろ!!!!!お前はそこの十二鬼月に勝った!!!!そして俺はお前に勝つ!!!!そうすればこの場で一番強いのは俺って算段だ!!!!」
そう言うと彼はいきなり私に突進してきた
「…はっ!?ちょ、ちょっと待て!!怪我が悪化するっての!!!!」
慌てて彼に峰打ちをかます
気絶したようだがもしかしたら私が一本くらい彼の骨を折ってしまったかもしれない
………まあ仕方ない
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作者名:ティアー | 作成日時:2019年9月29日 15時