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拾仇 ページ22

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「…………此処か」



すっかり日も暮れてしまった

見上げた先には、不穏な気配が絶えず漏れる山




薄気味悪い月が照らしている







「………あれは何だ?」



ふと、前の方に気配を感じて進めば、
ぎゃあぎゃあと喧しい声が聞こえる




………鬼殺隊だ


木箱を背負った少年と黄色い頭の少年、
あと………あれは…人間か?いや、気配は人間だが……

猪の頭…………





「………えっ、」


よく気配を感じ取れば、木箱の中から鬼の気配がする



………取り敢えず、声をかけてみるか

声が届く範囲まで小走りで彼らに近付けは、木箱の少年が私に気付き、此方を向いた





「すみません、あなたも鬼殺隊の方…ですよね」

「…ええそうです、君たちもこの山の任務にあたるのですか」
「はい、今から入山するところです」
「ではともに参りましょう、それと………どうして鬼を?」




木箱に目線を向けていえば、少年が目を見開く


「こっ、これは!違うんです!いや、鬼だけれども!俺の妹で!人を襲わないんです!!」

「……そうですか、まあ、このことを御館様が把握してらっしゃらないとは思えないので、私からは何も致しません、それより、……あなたは何を?」




先程から歩きはじめた私たちと別に、黄色い少年は座り込み、がたがたと震え続けている


「ひっ!むっ、無理ィ!!!俺死んじゃうよォ!!!!その前にお姉さん結婚してぇえ!!!!」





私の袴にしがみつく彼


「……結婚??……ええと、この方はどうされたのですか」

「………すみません
ほら善逸!!!人に迷惑をかけるな!!!!行くぞ!!!!」

「無理だよぉぉおおお」




「………はぁ、では、あまり時間がなさそうですし、私は先に参りますね、」


彼らを置いて私は山に飛び込んだ




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作者名:ティアー | 作成日時:2019年9月29日 15時

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