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拾弐 ページ15

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「────今までお世話になりました」





しのぶさんやカナエさんたちに頭を垂れる

清々しい天気の日だった



やっと任務に戻る許可を得た私は今日、蝶屋敷を去る


一月ほど過ごした蝶屋敷を去るのには少し感慨も残るが、
姉さんたちが待っているから早く帰らなければならない





「うわーん!」
「行かないで!」
「Aさん!」


いつの間にか仲良くなったなほちゃん、すみちゃん、きよちゃんは、
私の腰に抱き着いて別れを惜しんでくれる

私はそっと三人の頭を撫でた




「何もなくてもいいの、たまには任務の途中なんかに立ち寄ってね、Aちゃん」


カナエさんが優しく微笑む





「ありがとうございます
……ほら、なほちゃん、すみちゃん、きよちゃん
また会いに来るよ」

「ほんとに!?」

「ああ、約束だ」




そう言って私は三人と一人ずつ指切りを交わした






「────では、行ってまいります」



しのぶさんも楽しそうに笑って手を振ってくれた





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作者名:ティアー | 作成日時:2019年9月29日 15時

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