夜柱は悲しく輝く

不思議な桃ちゃん2 ページ14

炭次郎Side
桃はニコリとも笑わない。過去に辛いことがあったから無理もないのかもしれない…

すっかり歩けるくらいになったので廊下を歩いていると、柱の影に隠れるように立っている桃を見つけた。

やけに真剣にどこかを眺めている。俺も近づいて様子を見てみたら、

桃「はぁ…A様、今日も美しい…」

貴「…桃、どうしたの？」

あ、ばれてたのか

桃「あ、いえ、お茶をお持ちしました」

えぇ！どこから出したのそのお茶！こわいよ桃！


ー昼頃ー
善逸と一緒に屋敷前で軽く運動しようと外に出たら、何やらしゃがみこんでいる桃を見つけた。

善「あれ、桃ちゃんだ」

炭「何をしているんだろう」

遠くから覗き込んでみると、三毛猫を撫でていた。
…なんだ、案外子供らしいことをするんだな

しかし、突然シャー！と怒って、猫は桃の手を引っ掻いて走り去って行った。

桃「…どうして…」

引っ掻かれた手を握りしめてうつむく。

炭「桃…」

善「桃ちゃん…大丈夫？」

驚いた顔でこっちを振り返った。

桃「お恥ずかしいところをお見せしました」

炭「その傷…」

桃「大丈夫です。いつものことなので」

善「いつも…？」

桃「私、動物に好かれないのです」

何とも言えない空気が漂った。

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