Villainの世界に迷い込んだお姫様5

監督生は人気者 ページ30

貴方side

…今日は何だか、1日寂しい。

グ「ユウのやつ、大丈夫なのか？」

貴「早く帰ってあげなくちゃね」

肩に乗ったグリムが心配そうに訪ねてくる。そう、今日はユウ君が風邪を引いてお休みなのだ。

貴「ここ数日、少し肌寒かったものね…」

エ「あ、A先輩！」

デュ「こんにちは」

貴「エース君とデュース君、ごきげんよう」

エ「今日ユウのやつ風邪って聞いたんすけど…」

貴「そうなの。この間よりもかなり熱が高くて…心配なの」

デュ「お見舞いに行かせてもらってもいいですか？」

貴「ええ、ぜひ」

グ「早く帰ってこのゼリー届けてやるんだゾ」

購買で買ったゼリーを片手に帰路につく。
オンボロ寮の扉を開けて入ると、ソファに横たわるユウ君がいた。

貴「ただいま、具合はどう？」

ユ「あ、おかえりなさい…昨日よりましになりました」

貴「起き上がらなくていいわ」

ユ「エース…デュース…来てくれたんだ…」

エ「顔真っ赤じゃん。ソファなんかにいて大丈夫なのかよ」

デュ「体が冷えるぞ」

グ「ゼリーも買ってきたんだゾ」

ユ「大丈夫、ここのほうが涼しいし…ゼリーも食べる。グリムちょうだい」

ゆっくりと体を起こすユウ君を支える。
昨日は何も食べられなかったから、ましになったのは本当のようだ。

ゼリーを食べながらみんなと談笑しているのを聞きながら、キッチンで紅茶とお菓子を用意した。

貴「みんなもよければそこに座って？お茶とお菓子持ってきたから」

ユ「…やっぱり、早く元気になるには笑うのが1番だね」

さっきよりも顔色がよくなったユウ君。

ユ「誰もいないオンボロ寮で過ごすより、こうして友達や先輩とわいわいしてる方が楽しくて、元気になれる」

声も出るようになり、はきはきと話した。

貴「少しは元気になってよかった、エース君とデュース君のおかげね」

エ「いやぁ、それほどでも〜」

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