Villainの世界に迷い込んだお姫様5

金欠オンボロ寮6 ページ18

貴方side

…温かい。ゆっくり目を開けるとユウ君の顔があった。

ユ「せ、先輩…？」

貴「ユウ君…」

ユ「先輩！！！」

起き上がった私をぎゅっと抱きしめて、ポロポロと涙を流す。

ユ「ばか！！自分ばっかり我慢して結局倒れてるじゃないですか！この！わからずやっ…！！頑固！わがまま！」

貴「…ごめんなさい…」

ユ「ごめんなんかで済まないですよ…！初めから言ってくれたら自分達だってもっと我慢したのに！」

ひっくひっくと、苦しそうに息をしながら訴えかけてくる。そっと背中をさすり続けていると

ジャ「目が覚めたか」

カ「あぁ…よかったぁ〜…」

よく見ればここはスカラビア寮だ。

ジャ「ほら、3人ともお腹減ってるだろ。談話室に来い、今から宴だ」

カ「たんと食え！あ、でもAはゆっくり食べろよ？胃がびっくりして腹が痛くなったら困るからな！」

貴「え…ユウ君どういうこと？」

ユ「先輩がやつれたのに気づいたみなさんが、残りの一週間食事のサポートをしてくれることになったんです。
朝、お昼ご飯の食材はサバナクローから、晩ご飯はスカラビア寮と一緒にって言ってくれて、ハーツラビュルは明日のお茶会に誘ってくれました。
ポムフィオーレからは美容品+日用品の提供、オクタヴィネルはなんと、先輩の給料アップ+私達もアルバイトとして雇ってくれることになりました！！」

貴「そんな…親切すぎるわよ…」

ユ「みなさんおっしゃってましたよ、『好きでやってることだから気にするな』って。これからは一緒に頑張りましょうね」

貴「ありがとう、ユウ君」

グ「ふなぁ…お腹減ったゾ…」

ユ「はいはい、先輩行きましょ！お腹いっぱい食べないと！」

貴「ふふっ…じゃあ、お言葉に甘えて」


ー一方その頃ー

学「な…なんです皆さん急に押しかけてきて…」

リ「…学園長、オンボロ寮の予算の増額を提案します」

ア「本日栄養不足でAさんが倒れました」

レ「知らねぇ訳ないよなぁ？クロウリー」

学「も、もちろん知ってますよ！その件に関しては後ほど謝罪に伺おうと思ってます！」

ヴ「白々しいわね。土下座じゃ済まされないわよ」

学「どうしたんですか皆さん！いつもはそんなんじゃ…」

レ「残念ながら俺達は今ご立腹だ。予算が足りねぇなら自分の財布から出しやがれ」

学「それはそうですとも！しかし私、この間のバカンスで使ってしまって自分も金欠なんですよ…」

ヴ「はぁ、全く呆れた学園長ね」

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