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あなたside
「話せない?」
コナンくんが驚きの声を上げる。
工藤家のリビング。
柔らかなソファに埋もれながら私は尋問(?)を受けている。
鋭い視線の…いや開いてないけど…沖矢さんも眉をピクリと動かした。
「話せることもあります!ただ、核心には触れられないんです」
変な汗が出る。
うっかり口を滑らせてしまえば、この世界がどうなるかわからない。
どこまで話していいのかすらわからない。
そもそもどう言えば良いのかわからない。
「核心に触れるとどうなるんですか?」
「わからないんです……」
コナンくんと沖矢さんが顔を見合わせて少し困った顔をする。
申し訳なさに心臓が締め付けられた。
ほんとにごめんなさい……
「赤井さん、」
呟くと微かに2人の肩が揺れる。
沖矢さんの目も若干開いた。
「沖矢さんは…赤井秀一さんですよね?FBIの…黒ずくめ組織のことも知ってます…」
「お姉さん……」
「組織の人間ではありませんよ!ただ、知ってるだけで…」
沖矢さんが腰の位置に手を持っていく。
銃か?銃なのか??
殺されちゃう?
冷や汗が溢れてきた。
「明美さんのことも!」
焦りから大きく声が響く。
「明美さんのことも、赤井さんが沖矢さんになった経緯も、キールのことも知ってます」
ごめんなさい、赤井さん。
私はあなたの弱みにつけ込む。
今、生きるために。信用してもらうために。
「だから、少しお話する時間をください」
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作者名:真 | 作成日時:2018年3月18日 0時