【呪術廻戦】剣豪術師はアホの子【男主】 (ページ3)

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こんにちは。迷子の迷子のAくんです。

　なんだ…？三十路で迷子ってなんだ…？俺は一体なんなんだ…？

「ムリ…こんなの後輩に知られたら絶対ネタにされる…」

　特に悟くん。去年、生徒に学生時代の太平洋漂流事件を面白おかしく語ったことは忘れてないぞ。その後の真希ちゃんのドン引きの目、ホント悲しかったんだから…。

　あれは！俺！なんも悪くなかった！
　小型船の操縦なんて一般市民に出来るわけないじゃんもう…。

「森で迷ったらどこ行けばいいんだっけ…。北？北ってどっち？」

　詰み確である。Aは死んだ。この人でなし！

　とりあえず一直線に進めばどこかしらには着くだろうと走り始めることにした。マジもののけ姫みたいで凄いよなー、この森。

　空気はおいしいし景色も美しいが、如何せんここは森の中。改めてこの場を見れば見るほど、あの呪霊は桁違いだったんだなぁと思う。

　鹿児島県、屋久島。日本有数の霊験あらかたな土地だ。古くから生き続ける木々たちの生命力、それを敬った人間たちの信仰。

　並の呪霊なら一瞬で掻き消えるし、そうならずとも力は極端に弱まる。それほど強い力が集まっているのだ。

　まぁ、あれは神の気も少し混ざってたしな。住宅街では攻撃してきたけど、森に入ったらしなくなった。ちょっとした縛りの元で活動してたんだろう。報告書書くのメンドクセーーー。

　暫く真っ直ぐに走っていたが、ここらで1度立ち止まる。携帯を確認すると、微弱ながら電波を拾っていた。勝った！Aさん大勝利！！

「もしもし、田中くん！今どこ？」
『山田です。…フェリーのとこの近くの店にいますけど。なんかありました？』
「あのね、…そのね。……迷子になっちゃった」

「……は？あんた何歳すか」

　俺はちょびっと泣いた。

───

鐘ヶ江A
三十路。五条悟と学生時代で先輩後輩だった。

山田くん
この後GPSとか残穢を頼りにAを探し出した苦労人。担当がアホのせいで胃に穴が飽きそう。