23話 ページ23
目が覚めればまるで世界を反転したかのような世界に俺は目が覚めた。頭に血が上る感覚はぶら下がるようにして縛られていたからだ。生憎、ゾムみたいに仕込みナイフとかは入れん主義やしそこまで器用ではない。クソッタレ。
「オスマン！オスマン！」
隣に同じようにぶら下がっているオスマンを起こす。
「うわ…なに…」
「お前仕込みナイフとか持っとるか？」
「持ってるけど…ちょいと待ってろ。」
そう言って柔軟な身体を使って状態を起こし、ズボンの裾の隙間からナイフを出し足の縄を切る。オスマンからナイフを受け取りなんとか足の縄を切った。
「はぁ…はぁ…」
「運動不足。ますます豚になるんちゃう？」
「蹄でどつくぞ。」
「怖いめう〜」
周りを見れば狭いコンクリの一室、そこへガチャリと扉が開き入ってきたのは敵であろう見回り兵だった。お互い驚きのあまりフリーズするも、2対1なのですぐに鎮圧。引きずり端に置き物色する。
「見回りの癖にしけてんな…」
「それほどうじゃうじゃいるんやろ。」
「面倒くさ…」
「ほれ、まずはグルさんとレイちゃん救出や。城にいるあいつらならもうとっくに分かるやろ。」
そんな様子の俺にオスマンは言う。
「やけに冷静やん？」
「そうか？滅茶苦茶焦っとる。」
「やろうな…」
早く助けなければ。
二人で一人ずつは流石に無理がある。
ここは二手に分かれるのが絶対ええな。
「オスマンはレイちゃんを頼む。俺はグルさんを救出するわ。」
「逆にそっちの方が危険ちゃう？」
「今はお互い危険な状況や。レイちゃんに関しては一刻を争うで。」
「それもそうやな。」
「お互い死ぬなよ。」
「それ、フラグ。」
そう言って俺達は二手に別れた。
頼む、どうか間に合ってくれグルさん！
城にいるみんなも頼む！
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作者名：更新不定雑飽子 | 作成日時：2020年1月3日 21時
