純白の天使 (ページ15)

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15話ページ15

「嗚呼！思い出したゾ！礼を言う。」

「別にええで。」

「ロポロも来るの？」

「俺は行かへんよ。別の仕事あるからな。」

「そっか…がんばってね！」

「おん」

そう言って手を振るレイはロボロを見送った。
グルッペンはそんなレイを横目に見つつ帽子にしては小さめの黒のシルクハットにレースの掛かった帽子にロボロから貰った物を付けた。

「レイ」

くるりと振り向くレイの頭にそのシルクハットを被せた。黒のシルクハットには灰色のリボンに顔を隠すようなレースが付いており白色の薔薇が付いていた。

「ぼうし？」

「そうだ。」

「でもまえみえない…」

「俺と手を繋げば良い。そうすれば転びはしないゾ。」

そう言って視線を合わせる様にしゃがみ手を出すと、レイはその白くて小さな手を乗せた。

長い廊下を歩いた先にはトントンやオスマンの姿があった。彼らもまた黒色ベースのスーツを着ていた。
オスマンはトルコ帽子を付けて髪は散髪したのか短くなっておりサングラスをつけていた。トントンは燕尾服(えんびふく)のスールベストに赤色のネクタイを付けていた。

「待たせたな。」

「ちょうど準備終わった所やし別にそこまで待っとらん。」

「……！」

「ん？なんや、レイちゃん。」

シルクハットのレースを指で上げてオスマンの姿を見ていた。

「かみのけ、短いね！」

「ふふ…切ったんよ～。似合うめう？」

「似合うめう！」

「ありがとうめう～！」

「ほらそこイチャイチャせんで行くで。」

「レイ！パパはどうだ！？」

「お前はお前でなに必死になっとんねん…」

黒塗りの車に乗れば一行は貴族交流会が開催される場所へと向かった。