純白の天使 (ページ13)

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13話ページ13

「きぞくこーりゅーかい？」

「嗚呼」

「遂にその時がやって来たか。」

不思議そうに首を傾げるレイにグルッペンは続ける。その表情からは忌み嫌うかのように。

「ま、しゃあない。グルッペンがフューラーが付いてる限り。」

「嫌な鎖だ。全く。」

「んん？」

「レイちゃんは一生理解せんでもええ話やで。意味の無い知識やからな。」

「嗚呼、二度と知らなくても良い事だ。」

「分かった」

世の中知らなくても良い事は沢山ある。
グルッペンは赤い蝋封で閉じられた手紙を睨むのだった。

「面倒臭い…休んだらアカンの？」

「今回は世界なんで。欠席は無理やな。」

「家柄にしろよ…そこは。」

「グータラ言っても仕方がない。レイちゃん、エミさんの所に行って貴族交流会の話して来てくれるか？」

「わかった。けどなんで？」

「レイちゃんはレディーになる為にステップアップするんや。」

「おい、変な事吹き込むな。」

レイは首を傾げたままオスマンに言われた通りエーミールのいる図書館へと進んだ。貴族交流会の話を出せばエーミールも理解したかのように頷いた。

「では、貴族流の作法を今から勉強しましょう。」

「きぞくりゅう？」

「はい」

「それってどんなの？」

「礼儀正しく、上品に。と言った感じです。」

「絵本のおひめさまみたいな？」

「その方がイメージしやすいですね。」

そう言ってエーミールはレイの頭を撫でた。